対策で快適に乗り切る!湿気・雨など梅雨時期にしておきたい対策一覧
梅雨の時期や降雨時に気になるのが、室内の湿気。じめじめとまとわりつくような湿気は体感温度を上げるだけでなく、強い不快感や体調不良等の影響ももたらします。
そんな嫌な湿気を取り除く方法には、次のような方法があります。
- エアコンの除湿機能
- 除湿機
- サーキュレーターによる空気の循環
- 換気
- 除湿剤
- 新聞紙
- 炭
- 重曹
なかなか湿度が下がらないと悩みを抱えている方は、ぜひ紹介する方法を取り入れてみてください。
湿度はなぜ上がる?湿度が上がる原因
湿度が上がる原因は、気温が上昇することにあります。
- 気温が上がる
- 空気が含むことのできる水分量が増える
- どんどん水分を含んだ空気が増える
- 湿度が上昇する
湿度の基本①湿度は空気中に含まれる水の量を指す
湿度は空気中に含まれる水分量のことを指しますが、実は湿度は気温と深い関係があります。湿度と気温の関係をしっかり理解すると、除湿時もより的確な対策がとれるようになります。
世間一般的に湿度〇%と使われているのは、「相対湿度」と呼ばれる値です。空気は温度ごとに含むことのできる水分の量(飽和水蒸気量)が決まっていて、この限界値に対して現在含んでいる水分の量を表すのが相対湿度です。
つまり相対湿度とは、空気にどのくらい水分が含まれるかの割合を示す値のこと。
飽和水蒸気量は温度が高くなるにつれて、大きくなっていき、もしこの飽和水蒸気量を超えると、蒸気ではなく水滴(液体)として出現します。
湿度の基本②快適な湿度は40~60%程度
一般的に快適な湿度は40~60%とされています。この値を下回ると皮膚や喉が乾燥し、最近やウイルスが蔓延したり、逆に上回ると湿気を感じ、不快感や熱中症の原因になります。
また湿度が40~60%の間におさまっていても、気温が高くなれば蒸し暑さを感じます。これは飽和水蒸気量が温度に比例して大きくなるから。
温度10℃のときに含むことのできる水分量を20gと仮定すると、20℃では40g含めるように、30度では65g含めるようにと、どんどん増えていきます。実際10gの水を含んでいた場合、10℃では湿度50%、20℃では25%、30℃では15%になり、含む水の量は多くても相対湿度は下がってしまうのです。
これらの事実や仕組みを踏まえて、実際に湿度を下げる方法を検討していきましょう。
今すぐに部屋全体を除湿したい!即効性のある除湿方法とは?
まずは部屋をすぐに除湿する方法です。一番効果を感じやすく、即効性があるのが機械を使って除湿する方法です。
機械の種類には以下のようなものがあります。
- エアコンの除湿機能
- 除湿機
- サーキュレーター
- 扇風機
それぞれの仕組みと、除湿の方法について紹介します。
エアコン
エアコンには暖房・冷房のほかに除湿機能が付いています。除湿機能はその名の通り、湿度を下げるための機能で、温度によって飽和水蒸気量が変化する原理を利用して、空気を冷やして水分量を減らし、除湿する仕組みになっています。
方式は
- 弱冷房除湿方式
- 再熱除湿方式
の2種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
方式 | 弱冷房除湿方式 | 再熱除湿方式 |
---|---|---|
仕組み | 冷房機能を弱運転させ、温度を下げることで空気中の水分量を減らす。 | 空気の温度を下げて水分を取り除き、再びその空気を温めて放出する。 |
特徴 | 安価温度が下がりすぎると除湿の効果が感じられない電力消費量が少ない | 高価部屋の温度を保ったまま除湿でき、効果が感じやすい電力消費量が大きい |
最近では高級機器でも再熱除湿方式をやめ、節電効果のある弱冷房除湿機能を採用する会社が増えているようです。
除湿機
除湿機は空気の除湿だけのために作られているので、機能的にはエアコンよりも効き目が強いことが多く、構造も複雑になっています。種類は「コンプレッサー方式」と「デシカント方式」の2種類。
方式 | コンプレッサー方式 | デシカント方式 |
---|---|---|
仕組み | 空気を冷やして結露させて除湿除湿した空気を温めて室内と同じ温度で放出する | 吸湿材で空気を除湿する乾燥愛を加熱して水分と空気を分離させる室内の空気で冷やして結露させながら除湿する |
特徴 | 除湿力が高い部屋が冷えすぎると除湿の効果を感じにくい動作音が気になる場合がある | 低温時でも除湿効果が感じられる電気代がかかる音が静か |
どちらの方式も一長一短ですが、除湿機能には優れており、一刻も早く除湿したい場合は除湿機の使用がおすすめ。しかし空気を冷やして除湿するコンプレッサー方式は、そもそもの室温が引くいと、思ったような除湿効果が得られない場合があります。
またどちらの方式も、「加熱する」動作が入っています。つまり使用によって部屋が温まってしまうということ。まだ肌寒さが残る梅雨時期良いかもしれませんが、夏場はエアコンの除湿機能の方がおすすめです。
サーキュレーター
サーキュレーターは室内の空気を循環させるための家電です。そのため除湿の能力は、エアコン、除湿機と比べるとかなり貧弱。しかしサーキュレーターは除湿用の家電と上手く組み合わせると、除湿効果を格段と強くできるのです。
特におすすめなのがエアコンとの併用です。空気は温かいものが上に、冷たいものが下に溜まる性質があり、エアコンの弱冷房方式で除湿した場合、人間がいる下の部分はどうしても冷えすぎてしまいます。
そこでサーキュレーターの出番です。サーキュレーターをエアコンの真下に配置し、そこから床と並行に作動させます。こうすると部屋中の空気が循環し、温かい空気は下に、冷たい空気は上に、部屋の空気を混ぜられるのです。
また最近は衣類を素早く乾かす「衣類乾燥機」の機能を持つ、サーキュレーターも登場しています。サーキュレーター単体では除湿能力に乏しいものの、他の家電と組み合わせるとより即効性のある除湿機能に早変わり!節電対策にもなり、家計にも有難い機能です。
部屋の一部を除湿をしたい時
除湿する際は部屋全体ではなく、例えば洗濯ものを干す場所だけ、湿気りやすい隅だけなど、一部を除湿したい場合もあるでしょう。そんな時は以下の方法がおすすめです。
- 扇風機
- 新聞紙
- 重層
- 炭
これらは即効性はありませんが、電気代がおさえられたり、安価で簡単に手に入ったりなどのメリットがあります。湿気によるカビ・ダニ対策にぜひ活用してみてください。
扇風機
扇風機はある一点にのみ風を当てる機能に優れています。サーキュレーターは部屋全体の空気循環が目的でしたが、扇風機には直接風を当てる目的があります。
例えば洗濯ものに扇風機の風を当てた場合、湿気った空気を吹き飛ばすので、風が当たっている部分の洗濯ものは乾きやすくなるのです。
また電気代が安いのもメリット。2台扇風機を用意すれば、サーキュレーターのように空気循環もできるようになります。
新聞紙
実は新聞紙にも吸湿作用があります。濡れてしまった靴に新聞紙を詰めて乾燥させるのは、新聞紙が水分を吸収して、乾きを早くするから。この作用を利用すれば、洗濯ものを早く乾かせたり、特に湿気が高い部分の除湿を行ったり、カビ対策になったり、手軽に除湿できます。
新聞紙で除湿する際のポイント
用途 | 方法 |
---|---|
洗濯ものを早く乾かす | 一度丸めてから広げ、くしゃくしゃの状態で洗濯ものの下に置く。 洗濯ものの間に吊るしてもOK! |
特定の箇所を除湿する | 畳まずに丸めて、気になる部分に置く。 湿気が高い場所は放置せずに、定期的に取り換える |
重層
手軽で強力なお掃除グッズとして活躍する重曹には、水分を吸収する特性があるため、活用すれば手軽な除湿剤になります。また除湿効果だけでなく、消臭・脱臭の効果も期待できます。
使い方は簡単。プラスチックや瓶に詰めて、そのまま置くだけ。密閉せずに、開けっ放しにするか、ガーゼなどの密閉性の低いものを被せます。
おすすめの使い方は、キッチンの開き戸・靴箱・クローゼットの棚です。広い範囲の水分を吸収することには向いていないので、狭い空間に配置するのがおすすめです。
手元に除湿剤がない方は、もし重曹を持っていたら、簡単な除湿剤として活用してみてくださいね。もちろん除湿し終わって固まった重曹は、お掃除用に使えます!
炭
実は日本で古来から使用されてきた除湿剤があります。それが炭です。炭とひとことに言っても、黒炭・白炭・オガ炭・竹炭・粉炭など、原料や形によって種類はさまざまですが、炭の表面に空いている小さな細孔と呼ばれる穴の数が多かったり、大きかったりする炭の方が、除湿機能に優れています。
また炭は、半永久的に使えるコストパフォーマンスの高さや、加湿機能も備える高性能さが魅力。部屋を乾燥させすぎず、程よい湿度に保てるので、体への負担も少なくなるのです。天然素材なので、化学物質が気になる方はぜひ炭の除湿効果を取り入れてみてください。
部屋の湿度がなかなか下がらない?なぜ湿度は下がらないのか
部屋の湿度が下がらない理由には
- 室温が下がりすぎていてエアコンの除湿機能が効かない
- 除湿機から発する熱が不快感を増している
- 外の方が室内よりも湿度が高い
などの理由があります。
なぜ除湿の効果が実感できないのか、そもそも除湿できているのかを詳しく解説します。
エアコンの除湿機能が効かない!
一番多い悩みが、エアコンの除湿が実感できなくなるトラブル。これは部屋の空気を冷まして除湿する、弱冷房方式でよく発生します。
基本的に空気を冷まして除湿を行う仕組みは、空気が持てる水量の限界値を下げ、限度を超えた水分は結露させて液体で取り出すようになっています。そのため、すでに温度が下がりきっている場合は、除湿の効果が得られにくくなるのです。
対処法としては、
- 高級な再熱除湿方式のエアコンに変える
- デシカント方式(除湿剤入り)の除湿機を使う
- サーキュレーターと併用して、部屋中の空気をまんべんなく除湿する
これらが有効的です。
除湿機を使うと部屋が暑くなる
除湿機を動作させると、湿度が下がるばかりか、部屋が暑くなってモワっとする場合があります。これは除湿機が加熱するヒーター機能を持っているから。
湿度を下げるには効果てき面ですが、暑さに耐えられない場合は、弱冷房方式のエアコンを使うのがおすすめです。
換気しても湿度が下がらない
換気は室内に風の通り道を作り、空気を循環させる方法ですが、外の湿度以上に湿度は下がりません。換気によって快適だなと感じるのは、風が当たって体感温度が下がるからなのです。
また換気も1つの窓だけで行うより、2つ以上開けて風が通り抜けるようにする方が、快適さが増します。サーキュレーターを窓の方向に向けて流れを作るのも効果的です。
外が室内よりもカラッとしている場合は窓を開け、そうでない場合は密閉してエアコンや除湿機に頼る、使い分けが重要です。
除湿は使い分けが大切!目的と状況にあった除湿方法を選ぼう
湿度と上手く付き合っていくには、状況に応じた除湿方法の使い分けが必要です。どのくらいの範囲を、どのくらいの時間で除湿したいのかを考え、最善の除湿方法を選択しましょう。
部屋全体を急速に除湿したい時
部屋全体を除湿したい時は以下の方法がおすすめです。
方法 | 理由 | デメリット |
---|---|---|
エアコン (弱冷房方式) |
部屋を冷やしながら除湿してくれるので、 体感温度も下がり、快適に過ごせる |
温度が下がりすぎたり、 既に温度が低い場合は除湿しにくくなる |
エアコン (再熱除湿方式) |
部屋の温度を一定に保ちながら除湿できるので強力 | 電気代がかかる |
除湿機 | 威力が強く、部屋全体を一気に除湿できる | ヒーターで部屋の温度が上がり、 夏場には向かない |
エアコン+ サーキュレーター |
部屋の空気をかき混ぜ、 除湿効果を高められる |
サーキュレーターの位置設定が難しい |
ゆっくり湿度をさげたいとき(湿度を保ちたい時)
対してゆっくり湿度を下げる方法は次の通りです。
方法 | 理由 | デメリット |
---|---|---|
広い範囲に有効 | ||
炭 | 部屋の湿度を適度に保つ機能がある(調湿効果) | 部屋全体を調湿するには 炭を多めに用意する必要がある |
換気 | 部屋にこもった湿気を外に追い出せる | 外の湿度以上には下げられない |
狭い範囲に有効 | ||
除湿剤 | 効率的に除湿ができ、除湿効果も高い | 効果が無くなったら取り換える必要がある |
重曹 | 食べ物の近くに置いても安心でき、 使い終わったら再利用できる |
容器を密閉できないので、こぼす可能性がある |
新聞紙 | 除湿効果が高く、近くの湿気を急速に吸い取る | 取り換え頻度が高い |
まとめ
今現在で最も多く使われている除湿方法は、空気を冷やして水分量の限界値を下げる方法です。電気代も安く、体感温度も下がるため大変便利ですが、すでに温度が低いとあまり効果は感じられません。
そんな時は今回ご紹介した除湿方法を組み合わせてみてください。例えば部屋の湿度が高くなりやすい洗濯物を干すときは、新聞紙を使って湿気を吸収させ、エアコンとサーキュレーターで部屋の空気に流れを作ってみてください。
また臭いと湿気がこもりやすい靴箱や玄関には、脱臭効果のある炭や重曹を置いたり、外の湿度が低い時は換気して湿度を適度に下げたり、状況に応じた使い分けがおすすめです。
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