私たちにとって身近なカビの種類と特徴について解説
「同じカビ取りスプレーでカビ掃除をしているけど、全部同じ種類のカビなの?」
「壁に生えているカビと、食べ物に生えるカビは何が違うの?」
こんな「カビの種類と特徴」に関する疑問を抱えていませんか?
実は、確認されているカビの種類は約3万種類とも言われています。
その全てを理解する必要はありませんが、私たちにとって身近なカビに対して適切な対策をする為には、身近なカビの種類を知り、その特徴と対処法をしっかり理解しておく必要があります。
カビ取りスプレーを使ったら畳の色が抜けてしまった!
湿気には気をつけていたのに、乾いたところにもカビが生えていてびっくり!
なんて事もあるので、気をつけなければいけません。
そんな事にならないためにも、本記事では以下についてまとめています。
【カビの種類や対処法について】
- 日常生活で見かけるカビの対処法
- 他にもさまざまな種類のカビの仲間
- 人の役に立っているカビ
この記事を読めば、カビの種類や特性について理解し、カビと上手に付き合っていけるようになりますよ!
日常生活で見かけるカビの種類と対処法
浴槽の床や壁に発生するピンク色のカビ。部屋の壁に発生する黒いカビ。
パンや餅に発生するカビ。これらはそれぞれどんな特徴があり、どんな対策が適切なのでしょうか。ここでは日常生活で見かけるカビの種類とその対処法について紹介していきます。
赤カビ | 黒カビ | 白カビ | 青カビ | 黄カビ | 緑カビ | |
特徴 | 水だけで繁殖 | 根が深い | ふわふわしている | 食べ物に発生 | 乾燥していても発生 | 木を腐らせる |
発生する場所 | 浴室 | ゴムパッキン | 木材や壁 | パンなどの食べ物 | 乾いた衣類やレンズ | 畳や木材 |
対処法 | 塩素系漂白剤 | 塩素系漂白剤をつけて時間を置く | アルコール | アルコール | アルコール | 塩素系漂白剤 |
予防法 | 乾燥させる | 湿度を下げる | 換気をする | 湿度を下げる | 汚れを落とす | 換気をする |
浴室に発生する赤カビ
浴室や湿気の多い場所に発生しやすい赤カビ。
主に浴室の床や壁などの広い範囲や、風呂桶や風呂いすなどを中心に繁殖します。
気がついたら浴室の床がピンク色になっていた!なんてとありませんか?
そのピンク色が赤カビです。
赤カビは繁殖力がとても高く、ゴミなどの栄養がなくても、水だけで増殖できるという特徴があります。
赤カビの対処法
赤カビの対処法は、塩素系の漂白剤を使用することで効果的に赤カビを落とすことができます。
赤カビに直接「カビキラー」などの塩素系漂白剤を吹き付けます。
吹き付けてから5分ほど放置してからシャワーで洗い流します。残った汚れは、お風呂掃除用の洗剤を使い、スポンジなどでこすり落とします。
最後に浴室を良く乾燥させておきます。
赤カビの予防法
赤カビは水分があるところに繁殖してしまいます。
普段から浴室などの水分が多い場所は良く乾燥させておくことで、赤カビの繁殖を防ぐことができます。
また、赤カビは50度以上のお湯をかけると死滅するので、風呂上がりに少し熱めのシャワーをかけておくことも効果的です。
壁に発生する黒カビ
壁紙や浴室のゴムパッキンなどに発生する黒カビ。
見た目も悪いし、放っておくとアレルギーの原因にもなる厄介なカビです。黒カビは、他のカビの性質とは異なり、素材の奥深くまで根を張り、入り込んでしまいます。
黒カビの対処法
黒カビはすぐに胞子を飛ばし、どんどん範囲を広げてしまうので、見つけたらすぐに除去することが大切です。
水回りの黒カビには塩素系漂白剤を使用します。
赤カビの対処法と同様、黒カビに直接塩素系漂白剤を吹き付け、少し置いてから洗い流すことで除去することができます。
壁などの色落ちが気になる場所には、アルコール除菌スプレーを使用します。アルコールには黒カビが作り出した黒いシミを消す効果は期待できませんが、除菌効果があるので、カビを退治する宇は効果的です。
アルコール除菌スプレーを布に染み込ませてカビを拭き取ります。
この際、何度も拭く面を変えてカビを広げないようにすることが大切です。
黒カビの予防法
黒カビは湿度が大好きです。
黒カビを発生させないためには、こまめな換気をして湿度を下げることがとても効果的です。また、壁とタンスの隙間を広くしたり、通気性を良くすることでカビの発生を防ぐことができます。
木などの表面に発生する白カビ
白カビは木材でできた床や壁などの表面に発生するふわふわしたほこりのような見た目のカビです。
押入れの奥や靴箱などの通気性が悪くホコリっぽい場所に発生しやすく、放っておくと木をいためたり、アレルギーの原因にもなります。
白カビの対処法
白カビは、物の表面にのみ生えるカビです。なので除去するのも比較的簡単です。
アルコール除菌スプレーなどを含ませた布でカビを拭き取ればカビを除去することができます。
白カビが発生する木や畳などは、強い塩素系漂白剤を使用してしまうといたみや色落ちの原因になってしまうので使用はNGです。
白カビの予防法
白カビは通気性を良くすることで発生を防ぐことができます。
押入れにすのこを敷き、その上に布団などを収納することで通気性が良くなります。また、靴箱は天気がいい日に扉を開けておくことで定期的に空気を入れ替えることでカビの発生を予防できます。
1番身近な青カビ
空気中に常に存在し、食べ物などにすぐ発生してしまう青カビは私たちにとって1番身近な存在と言えます。
パンやみかんの表面に青いポツポツとしたカビが生えていたら、それは青カビです。
青カビが生えた食品を食べてしまうと、アレルギーを引き起こす原因にもなるので注意が必要です。
また、食品だけでなく湿気の多い浴室やクローゼットなどにも発生します。
青カビの対処法
クローゼットに発生した青カビは、アルコール除菌スプレーを使い拭き取ることで除去できます。
水道の蛇口や、排水溝の金属部分などの金属に発生したカビを落とす時は、塩素系漂白剤を吹き付け、数分置いてからメラミンスポンジでこするとカビを取ることができます。もしメラミンスポンジで取りきれない場合は、金ダワシで優しくこするとカビが取れます。
食品に発生した青カビは、カビを取り除いてもカビの根が食品に残っている可能性があるので、丸ごと処分することをおすすめします。
青カビの予防法
青カビは湿度を下げることで発生を抑えることができます。
除湿機などを使用し部屋の湿度を下げたり、こまめな換気をすると効果的です。また、青カビはほこりが多い場所や汚れている場所に発生しやすくなります。なので、こまめな掃除を心がけましょう。
乾燥した場所に発生する黄カビ
黄カビは他のカビとは生態が異なります。
黄カビは別名「カワキコウジカビ」とも呼ばれ、その名の通り湿度が低いところにも発生します。ガラスやフィルム、乾いた衣類、カメラのレンズといった場所にも発生します。
他のカビが発生できないような乾いた場所にも発生するカビです。
黄カビの対処法
黄カビはガラスやフィルム、カメラのレンズといった表面がツルツルした場所に発生したものについては、アルコール除菌スプレーを染み込ませた布で拭き取れば除去できますが、衣類に発生したものについては、一度発生すると繊維の奥深くまで根を伸ばすので、完全に除去することが難しくなってしまいます。
衣類にカビが発生しているのを見つけたら、早いうちに塩素系漂白剤などを使って洗濯して除去してしまいましょう。この際、カビのついていない洗濯物と一緒に洗濯してしまうと、カビが移ってしまうことがあるので注意しましょう。
黄カビの予防法
衣類に発生する黄カビは、乾燥した衣類を長期間しまっておくと発生するカビです。特に、皮脂やアカ、汗などのカビの栄養となる汚れが付着したままになっていると発生しやすくなるので、汚れをしっかり落としてからしまうことで予防できます。
カメラのレンズやフィルムなども同様、汚れが付着していると黄カビの栄養源となってしまうので、しっかり汚れを落としておくことでカビの発生を予防することができます。
畳の裏や木材に発生する緑カビ
見た目は青カビに良く似ている緑カビは木材や畳の裏、服などにに発生します。
湿気の多いところで発生し、木材を腐らせたり、繊維の劣化を引き起こします。
木造住宅では、毎年梅雨の時期に発生することのあるカビです。
緑カビの胞子を吸い込むと、喘息の原因にもなります。
緑カビの対処法
緑カビは他のカビと同様、塩素系漂白剤やアルコール除菌スプレーで落とすことができます。しかし、緑カビが発生する場所は、木材や畳、衣類なので、成分が強い塩素系漂白剤は色落ちや繊維の劣化を起こしてしまうことがあるので、使用する前に目立たないところに塩素系漂白剤を塗布し、色落ちなどがないか確認してから使用しましょう。
もし色落ちが気になったら、アルコール除菌スプレーを使用することをおすすめします。
緑カビの予防法
緑カビは、湿気と栄養があると繁殖しやすくなるので、通気性を良くして、こまめに掃除することで予防することができます。
緑カビは空気中どこにでも存在しているカビなので、完全に除去することはできませんが、湿気が溜まりやすい場所は特に気をつけて対策をしていけば発生を防ぐことができます。もし発生してしまったら、木材や繊維がいたむ前に、しっかり除去するようにしましょう。
他にも様々な種類のカビの仲間
カビの中には、人間に対して有害なものもあれば、人間の役に立っているものも存在します。ここでは、たくさんあるカビの中で有害なものと人の役に立っているものの代表的な種類を紹介します。
毒性のあるカビ
アフトラキシン | デオキシニバレノール | パツリン | オクラトキシンA | |
発生する場所 | 穀物やナッツ類 | 小麦や大麦 | りんごの加工品 | 穀物やその加工品 |
症状 | 発がん性化学物質 | 嘔吐や下痢 | 消化管の充血や出血 | 腎臓障害 |
人の役にたっているカビ
コウジカビ | 青カビ | 酵母 | |
使われている場所 | 酒類・味噌・味醂 | ブルーチーズ | パン |
毒性のあるカビ
カビの中には、強い毒性のあるものも存在します。
カビの毒というのは、カビが生産する化学物質で、「カビ毒」と呼ばれています。人や家畜の健康に悪影響を引き起こすので、注意しなければいけません。ここでは、カビ毒の中でも代表的なものを紹介していきます。
アフラトキシン
アフラトキシンは発がん性があることで知られ、天然物で最も強い発がん性物質と言われています。
穀物やナッツ類、とうもろこし、乾燥果実などに寄生するカビが生産するカビ毒で、肝臓がんを発生させるリスクがあります。
デオキシニバレノール
デオキシニバレノール小麦や大麦、とうもろこしなどに発生するカビが生産するカビ毒です。嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こしたり、免疫抑制作用があります。
パツリン
パツリンは主にりんご果汁やりんごの加工製品に発生したカビが生産します。パツリンは消化管の充血や出血、潰瘍などを引き起こします。
オクラトキシンA
オクラトキシンAは、穀物やその加工品、インスタントコーヒーやワインに発生するカビが生産するカビ毒です。腎臓障害を引き起こし、発がん性もあります。
人の役に立っているカビ
ここまで、カビは悪者の様に説明をしてしましたが、カビの中には、私たちの生活に欠かせないものや、人類を救ってきたカビも存在します。
ここではそんな、人の役に立っているカビについて紹介していきます。
コウジカビ
コウジカビは、東アジアや東南アジアにしか生息していないカビで、日本では酒類や味噌、みりんや甘酒を製造するときに用いられています。
コウジカビのことを麹菌とも呼び、麹菌は食べ物を柔らかくする酵素を出します。デンプンをブドウ糖に、タンパク質をアミノ酸に分解する働きがあり、この働きを利用することで素材をやわらかくしたり、発酵食品の旨味や甘みを引き出し、食品を生産しているのです。
ちなみに、健康食品としてよく知られている「麹」は、麹菌を米や麦につけたものを指します。
青カビ
青カビはパンや餅などに発生し、食品の品質を落とす厄介者ですが、私たち人間は、青カビに助けられてきた歴史があります。
青カビには多くの種類がありますが、その中の「ペニシリウム」は、伝染病の治療薬で抗生剤のペニシリンの原料になっています。
それまで不治の病とされてきた肺炎や破傷風などの伝染病を治し、たくさんの人の命が救われてきました。
その他にも青カビは、チーズの熟成にも用いられ、ブルーチーズの製造にも利用されています。
酵母
パンなどの発酵に使われる酵母は、カビの仲間です。
酵母は、糖をアルコールと炭酸ガスに分解する働きがあります。アルコール発酵を行うので、お酒の製造に使われてきました。
酵母はパンの製造にも利用され、酵母が発酵の際に生成する炭酸ガスを利用しパンを膨らませます。
危険なカビを予防して適切な対処を行おう!
今回は、カビの種類や特徴について解説しました。身の回りに発生するカビにはさまざまな種類があります。カビに対して適切な対処を行い、カビが発生しない環境を整えることが大切です。有毒で人体に危険なカビが発生しないように注意しましょう!
今回は身近なカビや危険なカビなどさまざまな種類のカビについて解説しました。家に発生したカビを除去する方法が知りたい方は「古い家がカビ臭い?!カビの臭い対策やおすすめのアイテムを紹介!」もチェックしてみてくださいね!
著者情報
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