除湿剤はタイプで選ぶ!状況にあったおすすめ除湿剤の選び方
除湿剤にはさまざまな種類がありますが、タイプごと適切に使い分けると、製品の除湿力を最大限に活かせます。今回は除湿剤のタイプ、中身、追加機能、見た目など、除湿剤の選び方とおすすめの除湿剤をご紹介します。
除湿剤の選び方
除湿剤は、収納タイプ×除湿剤の中身×便利な追加機能の、3つのポイント重視して選ぶのがおすすめ。多くの除湿剤がありますが、使う場所や目的ごとに使い分けると、除湿剤の効果が高められます。
収納タイプ | 除湿剤の中身 | 追加機能 | |
---|---|---|---|
選び方 | 除湿する場所に合わせて使用する | 安全性や処理のしやすさから選ぶ | 自分や設置環境に合わせて機能を選ぶ |
種類 | 置き型 つり下げ型 シート型 クッション型 | 塩化カルシウム シリカゲルA型 シリカゲルB型 炭生石灰 | 繰り返し使える 見た目 吸水量 消臭機能 |
収納タイプ
収納タイプとは、除湿剤の形状のこと。除湿剤の主な形状は以下の通りです。
【除湿剤の形状】
- 置き型
- つり下げ型
- シート型
- クッション型
置き型 | つり下げ型 | シート型 | クッション型 | |
---|---|---|---|---|
特徴 | 製品数が多く、安価で購入しやすい | 服の間に設置できるので、除湿効果が高い | 狭い場所でも使いやすい | インテリアとして使用できる |
おすすめの場所 | 玄関 棚 押し入れ | クローゼット | タンス 押し入れ 布団の下 | リビング 寝室 |
費用相場 | 70円前後 | 250円前後 | 40円~400円 | 2,000円前後 |
それぞれ使用場所や、周囲にある物の種類によって使い分けてみてください。
下駄箱なら置き型
湿度が高い玄関にあり、靴から発生する汗や水による湿気で湿度が高くなりがちな下駄箱には、置き型の除湿剤を配置しましょう。おすすめは除湿と同時に消臭もできる、炭の成分を配合した除湿剤。
湿気が貯まりやすいので定期的に取り換えるか、たっぷり湿気を吸い取る大容量タイプがおすすめです。
クローゼットならつり下げ型
つり下げタイプは、ハンガーのようにフックが付いているため、置くための台が無くても使えるのがポイントです。
服同士が密着すると湿気が溜まり、カビの温床になります。ひとつのクローゼットに3つずつくらい配置すると、より除湿の効果が高まります。
タンス・ベッド下に入れるならシート型
タンスやベッドなど、厚みのある除湿剤が置けない箇所には、シート型の薄い除湿剤を配置します。
シート型の除湿剤は、水分を吸収しても水がたまらないようになっており、大事な衣類を汚さずに除湿できます。吸湿しきるとサインが出るので、そのサインを目安に取り換えましょう。
リビングに置くならクッション型
湿気は人間からも発生するため、人が集まる場所の湿度も自然と高くなります。よって人が集まるリビングには、クッション型の大きい除湿剤がおすすめ。
製品の種類が限られますが、リビングのほかに寝室に配置すると、起床時のジメっとした湿度の高さも軽減できます。
コストパフォーマンス重視なら大容量タイプ・繰り返し使えるタイプ
除湿剤は通常2~3か月で取り換えますが、湿度の高い時期は1か月経たないうちに取り換える必要があります。1つ1つの値段もあまり安くないので、コストパフォーマンスを重視する場合は大容量のタイプを使いましょう。
また半永久的に使える除湿剤や、天日干し、乾燥などで繰り返えし使える除湿剤でも、購入の頻度をかなり低く抑えられます。
除湿剤の中身
除湿剤は主に化学物質を使って水分を吸収する仕組みです。しかし中には天然の除湿作用を利用した製品もあり、収納タイプだけでなく、除湿剤の中身で選ぶのも一種の方法です。
化学物質を使った製品は、比較的安価で製品数が多いのが特徴。対して化学物質を使用していない製品は、安心して利用でき、万が一こぼしてしまった場合でも処理がしやすいのが特徴です。
中身 | 塩化カルシウム | シリカゲルA型 | シリカゲルB型 | 炭 | 生石灰 |
除湿力 | ◎ | △ | 〇 | 〇 | △ |
吸湿後の様子 | 液体化する | 変化なし | 変化なし | 変化なし | 膨張する |
再利用性 | × | × | 〇 | ◎ | × |
おすすめ度 | ★★ | ★ | ★★★ | ★★★ | ★ |
塩化カルシウム
塩化カルシウムは非常に吸湿力が高く、どんな環境下でも周囲の湿気を吸い取り、湿度を下げます。安価で製品数が多いので、コストパフォーマンスにも優れています。
しかし水分を吸収すると液体化し、容器の中にある塩化カルシウムがすべて溶けます。
この液体をこぼすと肌荒れを引き起こしたり、床にシミができたりするため、取り換えの際に細心の注意を払う必要があります。
シリカゲルA型
シリカゲルA型は湿度が~30%の、低湿度の環境で本領を発揮する除湿剤です。お菓子の湿気取りや、精密機器にも利用されていますが、カビ対策などにはおすすめできません。
シリカゲルB型
対してシリカゲルB型は、湿度が高い環境下に最適な除湿剤。シリカゲルA型よりも多くの水分を吸収でき、天日干しすれば再利用できるのもポイントです。
シリカゲルはお菓子に同封されているくらい安全性が高いため、あまり好ましくはありませんが、仮に体内に入っても影響はほとんどありません。
炭
木には水分を吸収・放出する力がありますが、炭はその木の吸湿力を利用した除湿剤として販売されています。
魅力は有害な液体の発生がなく、半永久的に使用可能、大粒の固形で万が一こぼしてしまっても処理が楽な点。他の除湿剤にはない安全性やコストパフォーマンスの高さがあるので、長期的に良い製品を使いたい場合におすすめです。
生石灰
生石灰もシリカゲルと同様、食品に使われている除湿剤です。膨張や発熱作用があるので、室内用の除湿剤としては利用されていません。
追加機能で選ぶ
除湿剤を選ぶ際には、追加機能もチェックするのがおすすめです。チェックするべき除湿剤の追加機能は以下の通りです。
【除湿剤の追加機能】
- デザイン
- 交換頻度
- 消臭機能
- 価格
- 防カビ機能
ここではそれぞれの選び方についてさらに詳しく解説していきます。
お部屋にマッチするデザインかチェック
除湿剤を選ぶ際には、どのような形や柄をしているのか、デザインもチェックするのがおすすめです。除湿剤には、以下のようにさまざまなデザインがあります。
【除湿剤のデザインとイメージ】
柄や素材 | 与えるイメージ |
---|---|
無地 布素材 | ・シンプル ・自然派 |
ドット柄 花柄 | ・カラフル ・華やか |
プラスチック容器 | ・素朴 |
どんなにたっぷりの湿気を吸い込むことができる除湿剤でも、インテリアに馴染まないデザインの物を選んでしまうとお部屋の雰囲気にマッチしません。
家具や小物にこだわっている方は、除湿剤のデザインにも注目してみましょう。
吸収できる水分量(交換頻度)をチェック
吸収できる水分量も除湿剤選びには重要です。吸収できる水分量が多いほど、除湿剤の交換頻度も少なくなり、手間が減ります。
できるだけたっぷりの湿気を吸収したいなら、約500ml以上の吸収力がある除湿剤を選びましょう。
【吸収できる水分量の目安】
吸収できる水分量 | 約400ml | 約500ml | 約1000ml |
使用期間 | 2週間~2カ月 | 3~4カ月 | 4~8カ月 |
消臭機能もチェック
湿気臭さなどの嫌な臭いが気になるなら、消臭機能もチェックするのがおすすめです。
例えば、炭でできていたり炭の成分が配合されていたりする除湿剤を使用すれば、湿気と一緒に嫌な臭いも吸収することができます。特にさまざまな臭いが気になるリビングや押入れなどでの活用がおすすめです。
水捨てシールをチェック
置き型の除湿剤を使用する場合には、水捨てシールがついているか確認しておくことが大切です。置き型の除湿剤には、吸い込んだ湿気が水分となり容器の中に溜まっていくものがあります。
こういった除湿剤の場合、まずは中に溜まった水を捨ててから容器を処分しなければなりません。除湿剤のフタ部分に付いている水捨てシールを剥がし、中に溜まった水をこぼします。
水捨てシールがついていない除湿剤を選ぶと、除湿剤のフタを手で剥がしたり、ハサミで穴をあけたりする手間がかかります。
中身に直接手を触れずに簡単に除湿剤を処分したい方や捨てやすさを重視したい方は、ぜひ水捨てシールの有無をチェックしてみてください。
価格をチェック
除湿剤の機能性や捨てやすさはもちろん、価格もしっかりチェックしておくことが大切です。
なぜなら、機能がいいからといってあまりにも高い商品を購入してしまうと、かなりコストがかかってしまいます。買い替えが必要なタイプの除湿剤が多いため、数カ月に1回大きな出費ができてしまいます。継続して使用することを考えるなら、コスパに優れた除湿剤を探しておくのがおすすめです。
防カビ機能をチェック
除湿剤を選ぶ際には、防カビ機能もチェックするのがおすすめです。なぜなら、湿気が溜まる場所にはカビが発生しやすくなるからです。
一般にカビの発生しやすい資料の場合、温度25度のとき、相対湿度が70パーセントだとカビは数か月で繁殖し、75パーセントを越すとその速度は急激に早まり、90パーセントではわずか2日で目に見える程度まで繁殖するといわれている[Michalski2000]。
引用:カビ対策マニュアル実践編
特に押入れの中やクローゼットの中は湿気が充満しやすい環境となっています。湿気の充満はもちろんカビの発生も防ぎたい方は、防カビ機能が備わっているかチェックしてみましょう。
場所別おすすめの除湿剤
製品タイプについて理解したところで、実際の製品をご紹介します。
ここでは場所別に、おすすめの製品を紹介します。
下駄箱におすすめの置き型除湿剤
下駄箱には、消臭機能を兼ね備えた除湿剤がおすすめ。また湿気が溜まりやすい場所なので、吸水力に優れているものを選びましょう。
これらを踏まえて3つのおすすめ商品をご紹介します。
エステ― 備長炭 ドライペット
除湿剤に備長炭を加え、除湿と脱臭を兼ねた便利な除湿剤です。湿気だけでなく臭いも吸収するので、嫌なにおいがこもりがちな下駄箱におすすめ。
無香料なので本棚や押し入れなど、幅広く活用できます。使用目安は3~6か月程度で、容器に水がたまり始めたら交換の合図。およそ420mlの湿気が除湿できます。
オカモト 湿気とり 水とりぞうさん
除湿剤1つあたり約550mlも吸湿できる、コストパフォーマンスが高い大容量タイプです。価格も安く、12個入りで1500円と、1つ約100円~でお財布にも優しいのがポイント。
無香料タイプなので、香り付きタイプが苦手な方にもおすすめです。除湿剤が湿気を吸い取ると、容器の中に水が溜まっていきます。大容量タイプは店舗に置いていない場合が多いので、ネットでの購入がおすすめです。
出雲カーボン 炭八 トライアルセット
炭八は炭の「調湿機能」を活かした製品で、湿度が高いときは除湿作用を、乾燥しすぎているときは加湿作用をもたらします。
炭八はサイズがさまざまあり、小さい小袋タイプは玄関の下駄箱内に。少し縦長になっているタイプは湿気がこもりがちなブーツ、ハイカットスニーカー、革靴に直接。それぞれ使いやすいサイズで、さまざまな場所で活躍します。
クローゼット
クローゼットの除湿剤はつり下げ型とシート型を併用すると、衣類や布団類のカビを防げます。つり下げ型かえを2種類、シート型を1種類ご紹介します。
エステ― 備長炭 ドライペット クローゼット用
クローゼットはスペースが広く湿気の心配がなさそうですが、一度湿気が入ると換気するまではこもってしまう、湿気の温床ゾーン。そんなクローゼットにはつり下げタイプの除湿剤を衣類の間に設置するのがおすすめです。
湿気を吸収した後は薬剤が固まるので、ポタポタと水滴が垂れる心配もありません。取り換えの目安期間は1~2か月ですが、湿度が高い時期は定期的なチェックを行いましょう。炭が配合されており、脱臭効果も発揮します。
カラリノ
湿気を吸い取って発生する水が、除湿剤下のスケルトン部分に溜まるようになっている除湿剤。処分のしやすさと、取り換えサインの見やすさが魅力です。
除湿剤はデザインが派手で馴染みにくいものがほとんどですが、カラリノは控えめ・シンプルなデザインで、服の間に自然と馴染みます。
エステ― ドライペット ぐんぐん吸いこむ大判シート
クローゼットに収納する物のうち、布団やシーツ、タオルなど、畳んで奥の方に重ねる布類におすすめの除湿剤です。
挟むだけでなく、上に被せるだけでも湿気を吸い取るので、取り換えも簡単。天日干しで繰り返し使えるのもポイントです。
ハンガーにかけてある衣類用のつり下げ型除湿剤と、シート型の除湿剤の併用で、クローゼット内の湿気を無くしてカビを防ぎましょう。
タンス・ベッド下
タンスやベッド下に便利な小袋・シート型の製品を3つご紹介します!ほとんどの製品が再利用できるので、お財布にも優しいのがポイントです。
エステー ドライペット 引き出し・衣装ケース用
薄いシートタイプで、タンスや引き出しなどの狭い箇所の除湿に便利な除湿剤です。除湿剤は液漏れが心配ですが、薬剤が湿気を吸収するとそのまま固まるので、衣類を汚さずカビ対策ができます。
薬剤が固まったら交換のサイン。エステーから発売されている防虫剤と併用すると、衣類の持ちがよくなります。布製品だけでなく、皮革製品にも使用可能です。
エステ― ドライペット ふとん快適シート
天日干しで繰り返し使える、布団専用の除湿剤。就寝時に布団の下に挟むだけでなく、布団の収納時のカビ対策にも便利です。
布団は寝汗や人間が発する蒸気によって、カビが発生しやすくなっているので、起床時に寝室の湿気が気になる方におすすめ。湿気を吸収しきるとサインが出るので、それを参考に天日干しすれば約1年間、繰り返し使用できます。
出雲カーボン 炭八 小袋
炭八の中でも使い勝手の良い小袋サイズがセットで購入できます。無香料で薬剤不使用なので、さまざまな場所で活躍します。
薬剤を使用した製品は吸湿後に水分が発生するため、うっかりこぼしてしまう心配がつきものです。しかし、炭八は薬剤を使用していないため、除湿後の液体の発生、交換の手間、液漏れの心配は一切なし!
水気が心配な本棚や、戸棚の上、キッチンの棚などでも安心して利用できます。
リビング
リビングにクッションとして置ける除湿剤は製品数が少ないのが難点。ここでは手入れ不要で繰り返し使える、おすすめの除湿剤をご紹介します。
出雲カーボン 炭八 大袋
リビングや各部屋の湿気対策には、エアコンの除湿機能や除湿機に加えて、クッションや置物などのインテリアの併用がおすすめ。
炭の調湿機能は半永久的なので、繰り返し使用できるコストパフォーマンスの高さもポイント。クッションと同じくらいのサイズなので、部屋の雰囲気を害しません。
除湿効果を高めるコツは?
除湿効果を高めるためには、以下のようにいくつかのタイプの除湿剤を併用するのがおすすめです。
例:置き型+吊り下げ型
:吊り下げ型+シート型
除湿剤を併用して使用することで、さまざまな箇所の湿度をくまなく除去することができます。また、衣類と衣類の間に2~3㎝ほどの隙間を開けておくと風通しがよくなり、効率的な除湿が可能です。さらに強力な除湿効果を感じたい場合には除湿機を使用するのもおすすめです。
手入れ不要で安全な除湿剤を求めるなら炭八一択です
ここまで何度か登場しましたが、炭の調湿効果を利用した「炭八」は一定の箇所の湿気を取るのに最適。除湿効果と同時に、保湿効果も持っているので、デリケートな物の近くに置けば、適度な湿度の状態を保てます。
炭八は繰り返し使用するタイプの除湿剤ですが、天日干しや乾燥などの手入れは一切必要ありません。これは湿気を吸うだけでなく、吐いて適度に保つ自然の作用があるからです。
また炭八は家屋に使われていた木材を、約800度で熱して炭化させて作られているため、環境にも優しいのがポイント。袋に入っているので、こぼす心配もなく安心して使用できます。
除湿剤は使用場所ごとに使い分けるのが正解!
さまざまな種類がある除湿剤は、使う場所や状況ごとに形状、再利用性、見た目、匂いをチェックすると、よりシーンに合った製品が選べます。
除湿剤の効果を最大限発揮できるように最適なタイプを選び、こまめにチェックしましょう。特に梅雨時期や雨天時は、気付いたときにチェックするのがおすすめです。
お部屋全体の湿気を除去したい場合には、こちらの記事も参考にしてみてください。
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