床の正しい湿気対策|実はNGな対処法とカビへの心配ゼロで快適に暮らすコツ
「床にカビが生えていた…」
「なんとなく、部屋がジメジメしている…」
など、ふと室内の湿気に違和感を覚えたことがある場合、それは床下の湿気のせいかもしれません。
床下は、なかなか意識を向けない場所ですが、実は湿気の溜まりやすい場所です。
そのため、室内のジメジメ感が解消されないようであれば、床下の湿気を疑ってみてください。
この記事では、床下の湿気を解決して、快適な生活空間を保つために、次のことを紹介します
- 床のカビや湿気がなくならない原因
- 床の湿気対策を怠ってはいけないワケ
- 実は好ましくない、カビの対処法
- おすすめのカビと湿気への対処法
- 根本から湿気を解決させる方法
ご自身に合う解決策を知り、ジメジメ感のない安全で心地よい環境に変えていきましょう。
床のカビや湿気がなくならない! 一体、なぜ?
床に生えているカビに対処しても、また生えてきてしまった。もし、そういった経験があるのなら、それは湿気が室内に溜まりやすい環境になっているからでしょう。
湿気が室内に溜まってしまう原因は、主に次の4つです。
- 換気不足
- 季節や天候
- 敷地が低い
- 床下の空間が狭い
1.換気不足
換気扇をまわしていても、定期的に空気を入れ替えて、部屋の空気を循環させる必要があります。クローゼットやベッド下の収納のように、密閉空間にある場所は注意が必要で、意識的な換気をしないと、空気がこもってしまいます。
また、集合住宅は窓が少ない傾向にあるため、キッチンやお手洗いなどの独立した空間に、湿気が溜まりやすいです。換気扇をまわしているけど効果がない場合は、除湿や調湿できる工夫をプラスする必要があります。
2.季節や天候
梅雨や、異常気象で雨が続く時期は、室内も蒸れてしまいます。湿気が60%を超えてしまうと、カビが発生しやすくなるので、気を付けましょう。また、雨は低気圧で気分がすぐれない方が多くいますが、湿気で疲労感や寝つきの悪さを感じる場合もあります。雨の日は普段より眠りが浅い、もしくは寝起きから身体が重いと感じたら、室内に湿気が溜まっている可能性を、疑ってみてください。
3.敷地が低い
立地条件によっても、湿気の溜まりやすさは変わってきます。そのひとつが住宅の位置です。湿気は下部に溜まる傾向にあります。そのため、集合住宅の下の階に住んでいる方や、まわりの住宅よりも低い場所に自宅がある方は、湿気に対して、より意識的な対策をとっておくことが望ましいです。
4.床下の空間が狭い
床下の空間が狭い場合は、空気の循環が悪くなってしまうため、湿気が溜まりやすいです。その溜まった湿気が、シロアリの浸食や床のカビといった形で出てしまうことに。この場合、室内の換気はもちろんですが、床下に調湿剤を入れるなどの工夫が必要です。
少し大がかりな対策になると感じるかもしれません。しかし放置をしていると、建物の基礎が傷んでしまったり、室内がカビで汚れてまいます。先に対策をしておくほうが、金銭的な負担がおさえられます。
床の湿気対策を怠ってはいけないワケ
床の湿気といわれても、なかなかピンと来ず、カビやシロアリなどは、被害が発生するたびに都度対応してきた方も多いでしょう。しかし、床の湿気は室内全体の環境や、そこで暮らす人の健康にも関ってきます。
ここでは、床の湿気によって起こる7つのリスクを紹介します。
- 健康被害につながる
- シロアリが発生しやすくなる
- 不潔感が気になる
- 汚れや跡が残る
- 木材が傷む
- お金がかかり続ける
- 精神的なストレスがかかる
1.健康被害につながる
実は湿度は、人の健康に影響します。湿度が高いと体温調整が難しくなったり、脱水症状に陥ることがあります。この場合、血流が低下して片頭痛が起きるケースや、ひどい場合には熱中症を引き起こすリスクがあります。
さらにカビを放置していると、その胞子を吸い込むことによってアレルギー症状や呼吸器系の疾患を発症することも。もともと呼吸器が弱い方や小さなお子さんがいるご家庭は、特に注意が必要です。
2.シロアリが発生しやすくなる
シロアリは高温多湿な環境に発生しやすく、水分を豊富に含んだ木材が好物です。一方で苦手なのは、乾燥した環境と光。つまり、湿気の溜まった床下は、シロアリにとって生活に適した場所となってしまうのです。
シロアリは家の木材を食べ、建物を傷つけてしまいます。放置していると、ドアや窓の建て付けが悪くなり、開けづらさを感じたり、床がきしんでしまうように。建物の耐震性にも関ってくるので、少しでもこのような変化を感じたら、早めに業者に駆除依頼をすること。そして、湿気への対策を見直して、同じ被害を繰り返さないことが大切です。
3.不潔感が気になる
湿気が溜まっている環境は、空気が淀んでいるだけではなく、カビによる汚れや、嫌なにおいも発生します。なかでも臭いやジメジメした感覚は、室内に漂うだけではなく、洋服やバッグにも染みこんでしまいます。
洋服をきちんと乾かしてから片付けたのに、なんだか嫌な臭いがしたり、湿っぽくなっている場合は、室内だけではなくクローゼット内の除湿や調湿グッズも取り入れてみましょう。
4.汚れや跡が残る
湿気が溜まると、木材が傷んだり、カビが生えてしまい、その汚れや跡が残ってしまいます。カビは落とすことも可能ですが、放置する期間が長かったり、落とし方を間違えると、どうしても跡が残ってしまいます。
できるだけ早急に対策をするのはもちろんですが、正しいカビへの対処法も知っておきましょう。
5. 木材が傷む
木材は乾燥しすぎていても変形しますが、湿度が高すぎても一部が膨張し、反ったような形状になってしまいます。さらに、木材そのものが湿気で腐敗したりカビが生えてしまうことも。つまり、建物が老朽化しているのです。
目には見えにくい変化ですが、フローリング板が反ってしまったり、建物そのものがゆがんでしまうことも。こうなると、扉や窓が開けづらくなるなどの被害が生じてしまいます。
6.お金がかかり続ける
部屋の湿気を放置していると、カビ対策やシロアリ駆除にかかる費用を繰り返し支払い続けることになります。場合によっては、こういった一時的な対策だけではどうにもならず、木材の老朽化による、フローリング材の貼りなおしや建物の基盤の工事といった、大規模な修繕を依頼する必要が出てしまいます。
本来であれば不必要な出費を避けるためには、根本から解決し、湿気は溜めない工夫を取り入れることが欠かせません。
7.精神的なストレスがかかりつづける
湿気が高いと単に気持ちが沈んでしまうだけではなく、健康被害にもつながります。さらにカビやシロアリへの対応、それにかかる出費などを考えていると、精神的な負担も大きいでしょう。
湿気の対策には、対策グッズの購入など、日常から簡単に取り入れられる方法もあれば、床下に除湿剤を入れるなど、リフォームによる解決方法もあります。ご自身の悩みの大きさや生活状況に合わせた対策を学んでいきましょう。
できれば避けたい、床のカビへの対処法
湿気への対策はもちろん大切。ですが、まずは今発生しているカビを取り除くところからはじめて、室内を清潔な空間に戻しましょう。
しかし、カビ対策は場所や素材によって異なるので、間違った対策を続けていると、家を傷めてしまいます。
次の対策を、カビの床に対して行っている人は注意が必要です。
- 塩素系漂白剤
- 重曹
- 酢
- 雑巾がけ
- 掃除機
【NGなカビ対策1】塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は、市販のカビ取り剤としてもよく販売されています。そのため、カビを落とすには効果的な方法だと認識している方も多いでしょう。
しかし、塩素系漂白剤と木材の相性は良くありません。漂白作用があるため、フローリングに使用すると、変色させてしまう可能性があります。
【NGなカビ対策2】重曹
さまざまな汚れや臭いを解決してくれる重曹ですが、デメリットがあります。それは、重曹の研磨作用とオイル分解の力です。ときどき重曹を使用するぐらいであれば、気になるほどではありません。
しかし、頻繁に重曹で床を掃除していると、フローリングに傷が蓄積されてしまいます。それによって、フローリングや塗装が剥がれてしまうことも。重曹を使っての掃除は、できるだけ避けるようにしましょう。
【NGなカビ対策3】酢
酢でのカビ取りはよく知られていますが、フローリングに使用するのは避けてください。本来、酢はカビを落とすだけでなく、殺菌効果やカビの発生防止効果ももたらしてくれます。
しかし、栄養分が高いため、白カビの発生を引き起こしてしまいます。さらに、シミの原因になってしまうため、使用は避けることが無難です。
【NGなカビ対策4】雑巾がけ
雑巾での水拭きは、カビを落とすのに役立ちそうですが実は逆効果。拭いた直後はきれいに見えますが、水だけでは殺菌効果がないため、実はカビ菌を広めているだけです。
カビを落とすときは、目に見える汚れを落とすだけではなく、除菌効果のある液体を使うようにしましょう。
【NGなカビ対策5】掃除機の使用
掃除機は、カビ菌や胞子を吸い取ってくれると考えられています。しかし実際は、吸い取られたのちに排気口から出ていって、再度室内に菌や胞子がバラ巻かれてしまうのです。
普段の掃除をする際には、まずはカビ取りを正しい方法で落としてから、掃除機でほこりを吸い込むようにしましょう。
床の湿気でカビが発生したら、これで対策!!
実はNGな方法が多い、床のカビ取り。では、どうすればカビを取れるかというと、おすすめは中性洗剤とアルコール消毒液の使用です。掃除の際は手袋とマスクを着用するようにしましょう。
用意しておくのは、次の3つです。
- スプレータイプの中性洗剤(薬局などで購入可能)
- スプレータイプのアルコール消毒液(アルコール度数70%~80%が好ましい)
- 雑巾2枚
スプレータイプの中性洗剤の購入が面倒な場合は、家庭にある中性洗剤で代用可能。3ml~5mlを水500mlに混ぜたのち、スプレー容器に入れて使用しましょう。
カビ取りは、次の手順で行ってください。
- 中性洗剤をフローリングのカビに吹きかける
- 5分放置し、洗剤が変色してきたら、水分をしっかりと絞った雑巾で水拭きをする
- 拭き残しがないか確認する
- フローリングの溝のカビは、つまようじなど先端の細いもので除去する
- アルコールスプレーを少量ずつ吹きかける
- 新しい雑巾で空武器をする
普段から取り入れたい、床の湿気対策
床のカビ対策をお伝えしましたが、湿気を溜めない工夫が欠けていると、次のような状況が発生します。
- 何度もカビ取り掃除をしないといけない
- シロアリ駆除をしないといけない
- 洋服まで傷んでくる
- ジメジメとした嫌な空気は解決されない
こうした事態を避けるためには、次のような対策ができます。
- 換気をしっかりとする
- 部屋干しを避ける
- 除湿器を導入する
- 除湿シートを敷く
- 湿気取り剤を置く
【床の湿気対策1】換気をしっかりとする
まずは、湿気をこもらせないために、換気をしっかりと行うようにしましょう。午前中の明るい時間にカーテンと窓を開け、空気を光を室内に取り入れることが大切。うす暗い状態が続くと、湿気は溜まりやすくなります。
室内だけではなく、クローゼットの扉も開いて、普段は密閉空間となっている場所の空気も循環させてくださいね。
【床の湿気対策2】部屋干しを避ける
濡れた洗濯物を室内で干すのも、部屋の湿気を貯めてしまう原因となります。そのため、できるだけベランダか、もしくは浴室の乾燥機で乾かすようにしましょう。
しかし、女性でひとり暮らしを行っている方や、ベランダが道路に面している方は、できれば外に干すのは避けたいですよね。このように、どうしても部屋干しが避けられない場合は、除湿器や乾燥機を購入してください。洗濯物が乾くのを早め、生乾きを防ぐのはもちろんのこと、室内の余計な湿度も吸収してくれます。
【床の湿気対策3】除湿器を導入する
部屋干しをする場所や脱衣所、もしくはクローゼット内などに、除湿器を置くようにしましょう。すべての空間にあってもジャマになってしまい、購入費もかかるので、ひとつで十分。昼間はリビングで、風呂上りは脱衣所、といった具合に、都合に合わせて移動させると、いいですよ。
しかし、毎回の水抜きの手間や電気代の負担はかかってしまうので、それを念頭に置いたうえで、購入を検討しましょう。
【床の湿気対策4】除湿シートを敷く
床に直接関係する湿気対策としては、除湿シートの活用がおすすめです。布団の下に敷いて、寝具のカビを防ぐことで知られている除湿シートですが、ラグやカーペット用も通販などで販売されています。
床とカーペットのあいだには湿気が溜まりやすいだけではなく、頻繁に内側を確認することもないでしょう。そのため、普段は除湿シートを敷いておくようにしましょう。天日干しで湿気を放出すれば、繰り返し使用できる商品がほとんどです。商品のお手入れの頻度に合わせて、お手入れをしてください。
【床の湿気対策5】床に湿気取り剤を置く
特定の場所にカビが発生しやすいのであれば、カビをしっかりと取ったうえで、その場所に湿気取り剤を置くようにしましょう。
床に直接置くのも良し、編みカゴのなかに湿気取り剤を入れてインテリア風に魅せるのも良し。湿気取り剤の効果範囲については、ひとつ辺り一畳分とされています。
そのため、一か所のカビ対策としては十分ですが、部屋全体が気になるのであれば、物足りないかもいれません。
お悩みを根本から解決する、床の湿気対策
床の湿気は、換気や除湿器など室内でできる対策で和らげることが可能です。しかし、床下の空気の循環が悪い場合や、環境によって湿気が溜まりやすくなっている場合、室内で行える対策だけでは不十分。
湿気への不安を解消するのにおすすめなのは、リフォームでの対策です。
リフォームと聞くと、大がかりなうえ、コストがかかるように感じるかもしれません。しかし、カビ取りやシロアリ除去を繰り返したり、傷んだ木材を取り替えるなどをするよりは、総合的にかかる負担はおさえられます。
リフォームによる湿気対策は、次の3つです。
費用 | 修理の必要性 | シロアリ対策 | |
防湿皮膜形成工法 | 90万円~150万円 | 基本的に不要 | ◎ |
床下換気扇の設置 | 20万円~50万円 | 故障時に必要 | 〇 |
床下調湿剤の設置 | 10万円~30万円 | 基本的に不要 | 〇 |
1.防湿皮膜形成工法
床下に膜をつくって土壌を覆うことで、湿気が溜まらないようにします。さらに防虫効果もあるため、湿気だけでなくシロアリなどへの効果も高いです。
しかし、床下に十分な空間がないと施工は行えません。興味がある場合はまず業者の方に相談し、施工が可能が確かめてみましょう。また、床の湿気対策としての効果は十分に高いですが、その分費用も高額です。
2. 床下換気扇の設置
床下に換気扇を設置することによって、空気を循環させます。防湿皮膜形成工法よりも、初期費用をおさえたい方におすすめ。しかし換気扇が故障した場合は修理費がかかってくるので注意しましょう。
こちらも床下の面積が限られていると設置できません。さらに、家の通気口がふさがっているなど、空気の循環がもともと悪いと、発揮できる効果も限られてしまいます。
こちらも業者に家の様子をしっかりと見てもらったうえで、施工を検討するようにしましょう。
3.床下調湿剤の設置
もっとも安価にできるのが、床下に調湿剤を並べる方法です。調湿剤は、除湿剤と異なり、必要なときには水分を吐き出してくれます。湿気と乾燥のどちらにも弱い木材を、ちょうどいい状態に保つために効果的な方法です。
しかし、床下がコンクリートではなく土壌になっている場合は、土を乾かす施工や苗トレイ等の設置が必要です。具体的にどういった手順が必要になるかは、業者の方と相談するのがおすすめ。
床の湿気対策なら炭八がおすすめ!
床下の調湿を検討したい方には、メンテナンス不要な炭八がおすすめ。床下に並べていくだけで、程よい湿度に調整してくれます。
炭八に使用されている葉樹木炭は、天日干しによる手入れが不要で、半永久的に使えるため、将来的なコストもおさえられます。
業者の方に依頼するのが一番ですが、畳みのように工事なしで床下を開けられる場所は、個人で並べることも可能ですよ。
まとめ
今回は、床の湿気への対策として、次の5つをお伝えしました。
- 床のカビや湿気がなくならない原因
- 床の湿気対策を怠ってはいけないワケ
- 実は好ましくない、カビの対処法
- おすすめのカビと湿気への対処法
- 根本から湿気を解決させる方法
正しいカビ取り方法と湿気への対策を知って、快適かつ安全な空間にするための参考にしてください。
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