部屋全体を効率よく除湿する除湿機の使い方と事前に出来る湿気対策をご紹介!
「部屋の不快な湿気を解消できないの?」
「部屋の湿度がなかなか下がらないのはどうして?」
「除湿剤が効かない・効果が感じられない理由は?」
「部屋全体に効く除湿剤はある?」
など、湿度調節についての悩みをお持ちではないでしょうか?
結論からいうと、電源の要らない除湿剤では部屋の湿度は調節できません。
理由は次の通りです。
除湿剤が効かない理由 | |
体積の問題 | 除湿剤は狭い空間に対して使うものなので、部屋の体積に合っていない |
目的の問題 | 除湿剤は狭い空間に置くことを想定して作られているので部屋の除湿には向いていない |
威力の問題 | 除湿剤は電気を使わない分即効性がない |
部屋の湿度を上手く調節するには、場所や使用用途に合わせて除湿剤や除湿機を活用するのが大切です。
湿度が高いままだと、カビやダニの発生原因になるだけでなく、気付かぬうちに熱中症を引き起こしてしまう場合も。
そんな状況にならないためにも、本記事では以下についてまとめています。
普段から湿気の悩みを抱えている方は、正しい知識で除湿を行ってみてください。
除湿剤は部屋全体の除湿に不向きである
除湿剤と除湿機の適切な使い方
実は除湿剤は部屋全体の除湿には向いていません。除湿剤が部屋の除湿に向いていない理由は、除湿剤が吸収できる水分量が部屋全体の湿気をとるのに十分ではないからです。
除湿剤の効果的な配置方法
そもそも除湿剤は密封された狭い空間で使うものです。
なぜなら、除湿剤が吸収できる水分量の上限があり、部屋全体の水分を吸収するには十分ではないからです。
除湿剤は空気中の水分を吸い取って湿度を下げるために、化学物質を使用しています。使い捨ての除湿剤は塩化カルシウムを使用しており、水分を吸収すると液体化する特徴を持っています。
これは使い捨てタイプも、繰り返し使えるタイプどちらも同じ。繰り返し使えるタイプは、乾燥や天日干しの手入れによって、再び除湿力が回復します。
大量の水分を吸収できる除湿剤でも、400ml~500mlが上限。対して部屋の中に存在する水分量は500ml以上です。
(※10畳・気温30度・湿度60%とした場合)
ここで「それなら除湿剤を部屋中に置いた場合は?」という疑問が浮かびますが、これも意味がありません。なぜなら部屋は完全密閉ではないので、外から湿気が入り込むほか、人間から発生する水蒸気で、常に湿度が高くなるからです。
除湿機と除湿剤の仕組みの違いと、効率よく除湿する方法
除湿剤と除湿機は、除湿の仕組みが全く異なります。それぞれ、仕組みをきちんと理解すると、効率的な湿度調整ができます。
▼除湿剤と除湿機の仕組みの違い
種類 | 仕組み |
除湿剤 | 化学物質が水分を吸い取って、周辺の湿度を下げる |
除湿機 | 空間全体の温度を下げて、空気中の水分を取り除く除湿剤の中には除湿剤を用いた製品もある |
この違いをみると、除湿機と除湿剤それぞれ、どんな場所と環境に向いているのかがよくわかります。狭い空間には除湿剤、広い空間には除湿機というように、使い分けがポイントです。
今すぐ部屋全体を除湿したい!効率よく除湿する方法をご紹介
部屋全体を除湿するのに最適な方法は、除湿機の使用です。除湿機にはエアコン付属の除湿機のほか、パワフルな除湿機能だけを備えた除湿機単体の製品があります。
除湿機の使い方は、種類ごとにポイントがあります。使い方のコツを抑えれば、より効率的に除湿ができ、電気代も安くなるメリットが。使い方を解説する前に、まずはそれぞれの機能をご紹介します。
種類 | 機能 |
エアコン | 部屋の温度を下げて空気中の水分を取り除く再熱方式の場合は、 冷やした空気を再び温めて室内に戻す |
除湿機 | 周囲の温度を冷やして、除湿剤を使って水分を吸収する |
サーキュレーター | 除湿機能はないが、部屋の空気を循環させて湿気を溜まりにくくする |
エアコンについている除湿機の上手な使い方
エアコンについている除湿機を上手く使うには、サーキュレータとの併用がおすすめです。これは部屋の隅や上部に停滞した、湿気を含む空気をエアコンの前まで運ぶためです。
サーキュレーターで部屋全体の空気を循環させる役割があるので、部屋の隅々まで除湿できるのです。特に部屋の隅に溜まった湿気が解消されるので、均一に除湿できるようになります。
また、不快感を解消するためには現在の部屋の温度と湿度をよく見て、機能を使い分けるのがポイント。湿度と温度が高く、蒸し暑さを解消するなら冷房機能を。湿度だけを下げるなら除湿機能を使いましょう。
さらに使っているエアコンの種類を知ることで、「除湿機能を使っているのに湿度が下がらない」「除湿機能なのに温度が下がって寒い」などの問題が解決できます。
エアコンについている除湿機には
- 弱冷房方式
- 再加熱方式
の2種類があります。
どちらも温度が下がると空気中の水分量が減る仕組みを利用しており、空気を冷やして湿度を下げます。弱冷房方式は冷やした空気をそのまま放出しますが、再熱方式は室温に戻して放出します。
弱冷房方式は温度を元に戻さずひたすら、空気の冷却と除湿を繰り返すので、温度が低すぎて除湿ができなかったり、肌寒さを感じたりするのです。
お使いのエアコンがどちらのタイプに当てはまるのか、まずはチェックしてみてください。エアコンの除湿が効かないと感じる場合は、除湿機や換気などほかの方法がおすすめです。
除湿機の上手な使い方
除湿機も、エアコンと同じくサーキュレーターと併用すると、部屋全体を効率的に除湿できます。除湿機は下に配置する分、部屋全体の空気を取り込めないからです。
温かい空気は上に溜まりやすいため、部屋の上部の湿度が高くなります。そうすると、部屋の上部は除湿できず、結果的にカビやダニの温床となってしまうのです。
サーキュレーターで部屋全体の空気を循環させ、水分量の多い空気を滞らせないように意識するのがポイントです。
また除湿機の種類も、コンプレッサー式がおすすめです。除湿機には
- コンプレッサー式
- デシカント式
の2種類があり、コンプレッサー式は空気を冷やして水分を結露させ、湿気を取り除く仕組みです。対してデシカント式は、除湿剤で空気中の水分を吸い取り、機械の中で湿った除湿剤を加熱して再利用する仕組み。デシカント式は加熱動作があるので、周囲の温度が上がってしまいます。
そのため湿気をとって、快適な部屋にするにはコンプレッサー式の方がおすすめなのです。
さらに置き方にも工夫すると、より不快感の解消につながります。湿気の発生原因になり得る、窓際や洗濯物の近くに置くのがポイントです。
サーキュレーターと除湿機を併用してもっと効率的に除湿する
サーキュレーターはエアコンや除湿機とセットで使うのが大切。なぜならサーキュレーターには、湿気を取り除く除湿機能がないからです。サーキュレーターの役割は空気の循環。
一見除湿と関係なさそうに見えますが、実は非常に大切で、例えば壁際だけジメジメして湿っぽい、床が湿気で湿っているなど、部屋の一部に湿気が停滞してしまうのです。
対してエアコンや除湿機には、部屋の空気を循環させる機能がないので、サーキュレータと除湿機を組み合わせてまんべんなく除湿するのが大切です。
ちなみに扇風機はサーキュレーターの代わりにはなりません。扇風機は特定の位置に風を届けるのが目的で、室内の空気を巡らせる機能は備わっていないからです。
事前対策でジメジメした湿気を防ぐ!簡単にできる湿気対策3つ
室内の湿度に不快さを感じた場合は、こまめに除湿機を稼働させるのがおすすめ。しかし普段の生活に少し工夫を加えると、湿気を溜め込まない部屋に改善でき、より効率的に除湿できるようになります。
方法は3つ。どれも簡単にできる方法なので、梅雨に入る前に対策しておきましょう。
方法 | 理由 |
換気 | 部屋に溜まった湿気を室外に追い出すため |
除湿剤の設置 | 湿気が溜まりやすい箇所を集中的に除湿するため |
家具の配置 | 家具と壁の間に湿気の逃げ道を確保するため |
定期的に換気を行う
換気は空気を入れ替えるために行いますが、湿気を多く含んだ空気を入れ替えるので、結果的に室内に停滞する湿気を外に追い出せるのです。
より効率的に行うには、風の通り道ができるように、対になる位置の窓を開けること。もしくはサーキュレーターを窓の方に向かって稼働させると、より効率的に空気の入れ替えができます。
雨が降っており、窓に雨が吹き付けている場合は、換気扇を稼働させるのもおすすめです。
適切な場所に除湿剤を置いておく
除湿剤には中身の違いのほか、置き場所によっても種類が異なります。
▼除湿剤の中身と特徴
中身の種類 | 特徴 |
塩化カルシウム | 使い捨て除湿剤水分を吸うと液体化する |
シリカゲル(B型) | 繰り返し使える除湿剤天日干しや乾燥で再利用する |
炭 | 水分を吸収・放出するので手入れ不要 |
▼除湿剤の正しい使い方と設置方法
設置場所 | おすすめの除湿剤タイプ |
下駄箱 | 置き型/使い捨て除湿剤 |
キッチンの収納棚 | 置き型/(化学物質不使用の者がおすすめ) |
クローゼット | つり下げ型/使い捨て除湿剤(塩化カルシウム) |
布団収納 | シート型/シリカゲル・炭 |
タンスの中 | シート型・小型/シリカゲル・炭 |
除湿剤は中身の違いだけでなく、形もさまざまです。
- 置き型:棚や下駄箱向き
- つり下げ型:クローゼットなどハンガーのようにして使う
- シート型:衣類や布団の間に入れて使う
- 小型:タンスのなかや靴の中など、部分的な除湿に使う
除湿剤を選ぶ際は、以上の中身・再利用の可否・形状などを参考にしてみてください。
湿気は密閉されるとなかなか外に出ていかないので、湿気が溜まりやすい箇所には、使い捨て・繰り返し問わず除湿剤の使用がおすすめです。
ちなみに炭を使った製品は、リビングにクッションとしておける除湿剤も販売されています。なかでもおすすめの除湿剤が、炭の調湿効果を利用した「炭八」です。
大袋・小袋・コンパクトタイプなど、種類豊富であらゆる場面に設置できるのが炭八の魅力。また塩化カルシウムのように液体化せず、特別なケアなしで半永久的に使えるのもポイントです。
うっかりこぼしてしまう心配もないので、キッチン近くやペット・子供の手が届く箇所にも便利です。
家具の置き方を工夫する
家具は壁と5㎝以上離して設置するようにしましょう。家具と壁が密着してしまうと、溜まった湿気がそのままになり、カビやダニの発生原因に。空気が通る「隙間」の確保を意識してみてください。
また棚やベッドは、可能な限り脚が付いているものを選ぶのがベスト。側面だけでなく、下にも隙間を作ると、より通気性が良くなります。
まとめ
部屋全体を除湿するには、除湿機の使用がおすすめです。また除湿機の効果を最大限生かすためには、除湿剤を複数個所に設置したり、あらかじめ換気して湿気を外に追い出したり、除湿方法を組み合わせてみてください。
特に梅雨~夏時期は湿度が高く、ダニやカビの発生原因になるほか、気付きにくい脱水症状や熱中症を引き起こすことも。快適な湿度の目安として「40~60%」を基準に、除湿を行うのがおすすめです。
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