除湿と冷房の使い分けを解説。状況や季節にあわせて、かしこく使おう
「除湿と冷房、具体的にどの状況でどっちを使えばいい?」
「じめじめしているから除湿をかけたいけど、気温もかなり高いとき、どうすればいい?」
このように、除湿と冷房の機能や使用目的について悩んでいる方もいるでしょう。
ここでは、冷房器具の機能をうまく使い分け、暮らし心地のよい空間にするための基本的な知識をお伝えします。
ご紹介するのは、次の5つです。
- エアコンの除湿と冷房の機能の違い
- 状況に合わせた正しいエアコンの使い方
- 除湿と冷房の電気代
- 除湿と冷房以外だけじゃない、便利なエアコン機能
- エアコンとあわせて活用したいグッズ
除湿と冷房の特徴や用途をきちんと知ってうまく使うことで、短時間で快適な部屋にできます。ムダな機能を使わないため、電気代節約にもつながるでしょう。
本記事を参考に、エアコンの使い方に悩む梅雨や初夏を快適に過ごしましょう。
エアコンの除湿と冷房はどう違う?
除湿も冷房も、どちらも部屋を涼しくしてくれる点では一緒です。しかし、2つの機能は使用目的がそもそも違います。そのため、冷房効果や果たす役割は異なります。
ここでは、以下のことを説明していきます。
- 除湿機能の役割と効果
- 冷房機能の役割と効果
【①除湿機能】役割と効果
除湿機能は、室内の湿度を下げることを目的としています。まずエアコンは湿気の多い空気を吸収して、室内の空気を下げます。そして取り込んだ空気の温度を下げて、ふたたび室内に戻します。
このように湿度の低下と空気の冷却がおこなわれるため、室内の湿度を快適に保ったまま室温を下げてくれます。
【②冷房機能】役割と効果
冷房機能は、室内の温度を下げるために使われます。冷たい空気を室内に送ることで、部屋の温度を下げてくれます。この機能は除湿と同じです。
それに加えて冷房機能では、室内の温かい空気を機会のなかに吸収するはたらきもあります。そのため、悩んでいるのが温度だけであれば冷房機能が効率的です。
一方で、湿気の対応には向いていません。じめじめとした高湿な環境を解決したいとき、冷房機能は向いていないといえます。
エアコンの除湿と冷房、どの状況で使えばいい?
除湿機能と冷房機能が違うとは分かっても、実際にどういった状況に向いているのかは迷いますよね。
状況に適していない機能を使うと、期待している効果を出すために設定温度を大幅に下げる必要があります。そのため、電気代がかかってしまいます。
ここでは、次の3つのケースについて、説明します。
- 除湿機能が向いているケース
- 冷房機能が向いているケース
- 冷房を最初に使い除湿に切り替えたほうがいいケース
【ケース1】除湿機能が向いているケース
除湿機能が向いているのは、湿気が高いが気温はさほど気にならない時期です。例えば梅雨の不快感は、「暑い」というよりは「蒸し蒸しする」「じめじめする」「じっとりする」といったように、湿気に左右されることが多いでしょう。
こうした時期に冷房を使うと、室内はたしかに涼しくなりますが、湿度による不快感は軽減されません。また湿気が高いと、体感温度は高くなるといわれています。
じめじめとした高湿な環境に悩んでいるときは、まず除湿機能を使いましょう。そうすることで、室内の湿気が減り、じっとりとした不快感や体感温度が改善されます。
【ケース2】冷房機能が向いているケース
冷房機能が向いているのは、気温の高さによる不快感が気になる時期です。たとえば真夏日や残暑の時期のように、雨よりも日照りが気になる時期におすすめ。
冷房機能は、まず第一に室内の気温を下げようとします。除湿機能も室内の気温を下げて部屋を涼しくしますが、より素早く室内の気温を下げてくれるのは冷房機能です。
つまり除湿機能だと涼しくなるまで時間がかかったり、必要以上に設定温度を下げる必要があります。高温による暑さに悩む方は冷房をつかって、効率的に涼むようにしましょう。
【ケース3】冷房を最初に使い除湿に切り替えたほうがいいケース
湿度も温度も高い場合は、まずは冷房をつけること。そして部屋が涼しくなったら除湿に切り替えるようにしましょう。除湿で室内の温度を下げられますが、その効果は冷房ほど期待できません。また、高温多湿な室内でおもなストレスの原因となっているのは、「高温」です。
まずは冷房で室内の気温を下げて、ストレスのもととなっている高温状態を解決するようにしましょう。その後、じめじめとした湿気を解決するために除湿を使用。この順番でエアコンを使用することで、涼しげな空気を保ったまま湿気も減らすことができ、快適な室内環境を叶えられます。
エアコンの除湿と冷房、コスパがいいのはどっち?
夏にエアコンを使うとき、どうしても気になるのは電気代ではないでしょうか。
結論からお伝えすると、電気料金が安いのは除湿機能です。1時間冷房機能を使用した際と比べると、約半額以上に抑えられます。
しかし、真夏日に除湿で対応しようとすると、設定温度を大幅に下げなければいけません。こうすると消費電力が増え、電気代もかさんでしまいます。コスパを重視することはたしかに大切ですが、一番重要なのは季節や天候に合った機能を選ぶことです。
もし少しでも電気代を抑えたいというのであれば、次の方法がおすすめです。
- 最初に冷房で一気に室内を下げてから、除湿に変えて電気代を節約する
- 自動運転モードを使用する
- 扇風機やサーキュレーターを併用する
- 湿気取り剤や除湿剤を室内に置き、じめじめ感を軽減させる
知っておきたい!便利なエアコンの機能
エアコンの機能は、除湿と冷房だけではありません。
エアコンそのものやリモコンの種類にもよりますが、以下3つの機能も使えます。
- 再燃除湿
- ハイブリッド除湿
- 自動運転
この3つの機能の役割と適したケースを知ることで、より効率的に快適な室内空間を整えることができますよ。
【機能1】再燃除湿
再燃除湿とは、冷たくなった空気をもう一度温めて室内に送る機能です。冷房や除湿では、部屋が冷えすぎてしまい、気温調整に困ったことがある方も多いのではないでしょうか。
通常の除湿では、室内からエアコン内に取り込んだ空気の温度を下げて、冷えた空気を再度室内に送ります。そのため湿度と気温の両方にアプローチできるのですが、室内が冷えすぎてしまう可能性があります。
一方で、温めた空気を室内に送る再燃除湿は、温度を下げ過ぎないようにコントロールしてくれます。そのため、冬場に湿気だけに対応したい場合でも活用可能です。
しかし、再燃除湿は一般的な除湿機能よりも電気代がかかるといわれています。外の気温や室内の状況などをふまえながら、使うようにしましょう。
【機能2】ハイブリッド除湿
ハイブリッド除湿は、エアコン内で冷えた空気を部屋内の空気と混ぜてから、室内に送り込むシステムのこと。そのため、一般的な除湿と再燃除湿のいいとこ取りとも呼ばれています。
最大の特徴は、ほかの除湿機能と比べると、部屋の温度が左右されにくいことです。気温はそのままを保ちたいけれど湿気だけを解決したいという方は、ぜひ活用してみてください。
【機能3】自動運転
自動運転とは、室内外の環境を考慮して、室温や風量などを自動で設定してくれる機能です。「除湿」「冷房」「暖房」の3つの機能の切り替えも自動でおこなってくれます。
自分で細かく温度などを調べる必要がないため、エアコン機能に任せきりで大丈夫。さらに消費電力も抑えてくれます。つまり、利便性もコスパも高い機能なのです。
エアコン5機能の比較
除湿と冷房に加えて、再熱除湿・ハイブリッド除湿・自動運転の計5機能を紹介しました。
それぞれの違いを分かりやすく表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
温度 | 湿度 | 季節 | 目的 | |
除湿 | 〇 | ◎ | 梅雨 夏 | 湿気を下げる室温をやや下げる |
冷房 | ◎ | △ | 夏 | 室温を下げる |
再熱除湿 | △ | ◎ | 梅雨 冬 | 湿気を下げる室温が上がる可能性がある |
ハイブリッド除湿 | 〇 | ◎ | 梅雨 夏 | 湿気を下げる室温は一定に保つ |
自動運転 | 〇 | 〇 | 年中 | 外気や室内に合わせて運転する湿気と温度の両方を調整する |
除湿や冷房とあわせて使いたい商品
うまくエアコンを使いこなしても、次のようなお悩みが出てくるのではないでしょうか。
「除湿機能をつかっていても、やっぱり電気代が高すぎる」
「室内が広いので、電気代がかさんでしまう」
「電気代を節約しながら、梅雨や夏の不快感を乗り越えたい」
こうしたとき、オススメなのはエアコン以外の家電やグッズを購入することです。電気代を抑えながら、より快適な生活空間をつくるお手伝いをしてくれます。
特におすすめなのは、次の3つです。
- 扇風機
- 除湿器
- 湿気取り剤
【おすすめグッズ1】扇風機
扇風機は、まだ暑さがさほど気にならない季節だけ使うという方も多いのではないでしょうか。しかし扇風機を活用できる季節は初夏や秋への移り変わりの時期だけではありません。
真夏は、エアコンの補助として使用してみましょう。効率的に室内の温度を下げられるため、とても便利です。除湿や冷房をかけているときに、扇風機の首を回転させて室内に置くようにしましょう。
とくに効率的に室内を涼しくしたい方や、部屋が広くてエアコンの効き目が悪い方におすすめです。
また、エアコンよりも電気代が圧倒的に安いといわれている扇風機。1時間あたりの電気代は0.1円~0.7円ほど。1時間あたり12円の冷房に比べると、かなりコスパがいいのが分かります。
【おすすめグッズ2】除湿器
除湿器は室内の湿気を取り込むことで、湿度を下げてくれます。そのため、湿気によるじめじめとした不快感や、カビ対策をしたい方におすすめ。
除湿器には、冷房や扇風機のように室温を下げる機能はそなわっていません。しかし、体感温度に影響する要素のひとつは、湿気だといわれています。
例えば気温28・湿度が40%にいるとき、体感温度は実際の温度とほとんど変わりません。これは人が生きていくうえで快適とされる湿度だからです。しかし、湿度が80%まで上昇すると体感温度は32℃まであがるといわれています。
こうしたとき、除湿器があると不快感の原因である湿気だけを取り込んでくれます。しかし電気代は1時間5円~20円のため、冷房よりも高くつく可能性があります。
クーラーとは別のタイミングで活用するのがいいでしょう。
- 気温はあまり気にならないが、湿気だけは気になる
- エアコンの除湿機能を使いたいが、室内温度が下がると寒そう
- 再熱除湿は電気代がかかるため、使いたくない
- 梅雨や夏だけではなく、1年中湿気に悩んでいる
【おすすめグッズ3】湿気取り剤
置くだけで湿気を吸収してくれるグッズのこと。つねに室内に置いておくことで湿度を調整し、じめじめ感を防いでくれます。そのため、除湿や再熱除湿を使わずとも、快適な生活空間を守ってくれるでしょう。
除湿器とおなじように湿気を取り込むといっても、電力を必要としないという点で異なります。一方で吸湿力はエアコンの除湿機能や除湿器よりも劣ります。室内干しの洗濯物を乾かすために湿気対応をしたい方は、電化製品の活用がおすすめ。湿気取り剤は、普段の湿気や特定の場所のカビに悩んでいる方におすすめです。
湿気取り剤にも買い替えが必要なものと半永久的に使えるものがあります。節約もかねて探すのであれば、商品紹介ページの「目安期間」や「寿命」と書かれている欄をチェックするようにしましょう。
おもな種類は、次の3つです。
塩化カリウム | ・使い捨て ・水分の吸収力は高め ・溶けた液体は、肌荒れや床のシミの原因になる |
シリカゲルB型 | ・天日干しで再利用ができる ・小さいサイズが多く、小物入れや靴のなかに入れて利用できる ・通常通り使用していれば、身体への害はない |
炭 | ・天日干しで半永久利用が可能 ・さまざまな大きさがあり、状況ごとに合わせた商品が選択可能 ・安全性にすぐれている |
しつこい除湿にお困りなら、炭八がおすすめ
「じめじめとした空気感をどうにかしたい…」
「除湿をいれるほど、暑くもないし…」
「クーラーを使いながら湿気にも対処できる方法を知りたい」
などのお悩みをお持ちでしたら、炭八がおすすめです。
炭八は湿気を吸い込むだけではなく適度に吐き出すことで、室内の湿度を好ましい状態に保ちます。それにより、空気のじめじめ感・よどみ・蒸し暑さを軽減するのにつながるでしょう。
とくに以下4点のような手軽さと気軽さで人気を集めています。
- 半永久的に使えるので、購入費以外はかからない
- 針葉樹でできており、備長炭の倍以上の吸湿力をほこる
- 室内で湿気の溜まりやすい場所に置いておき、あとは放置で十分
- 手入れは天日干しのみ
まとめ
今回は、エアコンの除湿機能と冷房機能の使い分けについてお悩みの方に向けて、5つのことをお伝えしました。
- エアコンの除湿と冷房の機能の違い
- ケース別、正しいエアコンの使い方
- 除湿と冷房の電気代
- 除湿と冷房以外だけじゃない、便利なエアコン機能
- エアコンとあわせて活用したいグッズ
あらためてお伝えすると、除湿は室内の湿気を下げるために使う機能、冷房は室内の温度を下げることを目的に使う機能です。ほかにも再熱除湿やハイブリッド除湿、自動運転などエアコンの機種は多岐にわたります。そのため、そのときの状況に合ったエアコン機能を使うことがおすすめ。
エアコンに頼るだけだと電気代が気になるという方は、ぜひ他の家電やグッズも参考にしてみてくださいね。
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