除湿の設定温度は?エアコンが「効かない」「寒すぎる」ときの解決策を紹介

「エアコンの除湿を付けただけで部屋が冷えて寒い」
「除湿機能だと、あまり部屋が涼しくならない……」
「エアコンの除湿って何度に設定すればいいの?」
など、エアコンの除湿モードでは部屋が適温にならず、お悩みの方も多いかもしれません。
除湿は室内の温度を冷房使用時ほど下げずに、湿度を取り除くのに適した機能です。
しかし、場合によっては部屋が冷えすぎたりムシムシとした感じが残ったりする場合もあります。
この記事では、除湿に関するお悩みを解決するために以下のことをお伝えします。
- 除湿機能の基礎知識
- 除湿の効果的な使い方
- 除湿の設定温度
- 除湿が聞いていないと感じるときの解決策
- 除湿で温度が下がりすぎるときの解決策
除湿機能の正しい設定温度と使い方を知って、快適な空間を保てるようにしましょう。
知っておきたい除湿機能の基礎知識
除湿機能は、室内の水分を取り除き、冷たい空気を室内に戻すエアコンの機能です。
エアコンが湿気を多く含む空気を吸収して、その空気を機械の中で冷やします。
そして冷えた空気を再び室内に戻すことで、室内の湿気と温度が下がる仕組みです。
一方で冷房は、室内の暖かい空気を機械内に吸収して室内に冷たい空気を送り込む機能です。
そのため、より効率的に室温を下げてくれます。一方で除湿効果はさほど期待できません。
機能 | 役割 | |
除湿機能 | 水分を取り込む 室内に冷たい空気を送る | 湿度を下げる |
冷房機能 | 暖かい空気を取り込む 室内に冷たい空気を送る | 室温を下げる |
室温を左右する3つの除湿機能の特徴

一般的に除湿機能は以下3つに分けられます。
- 弱冷房除湿
- 再熱除湿
- ハイブリッド除湿
それぞれの違いを知り、使用に適した時期を考えてみましょう。
効率的に室内のジメジメとした空気を改善するのに役立ちます。
使える機能はエアコンによって異なるため、製品の使用を確認してください。
【機能1】弱冷房除湿
弱冷房除湿は、除湿と同時に室内の温度を下げる機能です。
湿気を多く含む空気をエアコンの中に取り込み、冷却します。
そして、冷えた空気を室内に戻すことで室温を下げる仕組みです。
そのため、梅雨や夏のように暑さに悩む時期の使用がおすすめ。
「ソフト除湿」とも呼ばれています。
【機能2】再熱除湿
再熱除湿は、一度取り込んだ空気を温めてから室内に戻す機能です。
弱冷房除湿では、冷やすことで水分を凍らせ湿気を取り除きますが、再熱除湿ではその後に再度空気を温めます。
そのため、除湿で室内の温度が下がりすぎてしまう悩みを抱えている方におすすめです。
空気を温める際にエネルギーを消費するため、電気代がかかる点には注意してください。
【機能3】ハイブリッド除湿
ハイブリッド機能は、除湿された冷えた空気と温かい室温を混ぜ、部屋に再度空気を送り込む機能です。
そのため除湿を行っても、室内が冷えすぎない特徴があります。
また室内の空気と混ぜ合わせるためのため、再熱除湿ほどエネルギーを消費しません。
3つの除湿機能のまとめ
それぞれにかかる電気代や機能を比べたい方は、図をご参照ください。
電気代 | 温度変化 | 役割 | |
弱冷房 | 普通 | 下がる | 室温を下げる |
再熱 | 高い | ほぼ一定 | 冷えすぎを防ぐ |
ハイブリッド | 普通 | 一定~やや下がる | 冷えすぎを防ぐ |

除湿を使うべき2つの場面
除湿は室内の湿度改善に特化した機能です。
そのため、ジメジメ感が気になる時期や湿気を室内にため込みたくないときの使用がおすすめ。
特に以下の場面では、除湿の使用が好ましいでしょう。
- 湿度が気になるとき
- 室内干しをしているとき
【向いている場面1】湿度が気になるとき

梅雨や初夏はさほど気温は気にならないものの、ジメジメとした空気を不快に感じる方も多いのではないでしょうか。
除湿は、そういった室温はあまり変える必要はないが湿気は下げたい時期に向いています。
ジメジメしていると暑く感じ、冷房をつける方もいるかもしれません。
しかし湿気の高さが不快感の主な原因のとき、冷房だけを使っても改善は見込めません。
湿気は不快なだけでなく、体感温度上昇の原因でもあります。
湿気による蒸し暑さが気になる場合は、除湿機能を使うようにしましょう。
【向いている場面2】室内干しをしているとき

梅雨のように雨が多い時期、室内で服を干す方も多いでしょう。
この際、除湿を使うと室内の清潔感と効率の両方を叶えられます。
室内で洗濯物を乾かすと、その水分が室内の湿度を上げてしまいます。
室内がジメジメするのはもちろんのこと、カビの原因にもなりかねません。
除湿は室内干しをする際に高湿な環境やカビの発生を防いでくれます。
また、湿気を取り除くことではやく洋服を乾かすことにもつながります。
室内干しのあとの生乾き臭が気になる方・予防したい方は、除湿を使用するようにしましょう。
除湿が向いていない場面
エアコンの除湿機能は、飽くまで湿気を取り除くことに特化した機能です。
また、あまり気温が低いと十分に機能しません。
具体的には、以下の場面では使用しても十分な効果が期待できないでしょう。
- 真夏など気温が高い日
- 冬など気温が低い日
【向いていない場面1】真夏など気温が高い日

気温の高さに悩む日は、はじめに冷房をつけて室温を下げましょう。
なぜなら、冷房は素早く室温を下げてくれるためです。
弱冷房除湿も室温を下げる役割を担っていますが、室温の改善という点では冷房のほうが効率的です。
除湿で室温を下げたい場合は設定温度を低くする必要があり、かえってエネルギー消費量が上がってしまう可能性も。
もし高温と多湿の両方が気になる場合は、まず不快さの一番の原因となっている高温を冷房で改善しましょう。
室内がある程度冷えたら、除湿に切り替えてください。
そうすることで、効率的に高温と多湿の両方を解決できます。
【向ていない場面2】冬など気温が低い日

冬など気温が低い日でも湿気が気になる方はいるでしょう。
しかし除湿機能を使うのは、一般的に湿度が高くなりやすい夏から梅雨にかけてです。
冬場に除湿を使うと室内温度が現状以上に下がってしまう可能性があります。
冬場に湿気が気になる方や室内干しをしたい方は、以下の方法で湿気をため込まない工夫をしましょう。
- 除湿器を置く
- 湿気取り剤を置く
- 窓の結露をふき取る
除湿機能のベスト設定は何度?

除湿機能を使うとき、もっとも望ましいとされる設定温度は26度から28度といわれています。
これは、人が快適だと思える温度が28度だからです。
基本的には28度に設定し、長時間使用しても室内が冷えすぎないようにしましょう。
28度では暑いと感じるようであれば、26度まで徐々に温度を下げて調整してください。
室温は快適だが湿気だけ除去したい場合は、除湿ではなく除湿器や湿気取り剤の代用がおすすめです。
エアコンの除湿モードは設定温度と室内温度が同じになると効き目を感じづらいためです。

除湿が効かないときの解決策
「ジメジメ感が気になるのに、除湿機能では改善されない」
「梅雨だから除湿が一番効くと思うんだけど、どうして?」
といったお悩みや疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、よくある除湿が効かない原因と解決策を紹介します。
- まずは冷房で室温を下げる
- フィルターのほこりを掃除する
- 室外機の汚れを掃除する
【解決策1】まずは冷房で室温を下げる

除湿機能の効き目を感じられない原因のひとつ目は、室温の高さです。
湿度だけでなく温度も高い場合、除湿機能だけでは効率的に室温を下げられません。
そのため、不快な蒸し暑さが残ってしまいます。
気温が高い日は、まず冷房で室温を一気に下げるようにしましょう。
そのあと除湿に切り替えて、湿度を外に逃がすことがおすすめです。
湿度と温度の両方が気になる時期におすすめなのは、「自動運転」です。
なかなか自分では切り替えのタイミングが分からないという方や、切り替えを忘れて冷房で部屋が冷えすぎてしまった経験をお持ちの方もいるでしょう。
自動運転は室内の状況に適したモードに自動で切り替えてくれます。
手動の切り替えより消費電力が少ないメリットもあります。
【解決策2】フィルターのほこりを掃除する

エアコンのフィルターにほこりがついてる場合、空気を取り入れる際の効率が下がってしまいます。
除湿機能が効いていないと感じた際は、冷房機能もつけてみてください。
その際、部屋がなかなか冷えないと感じた場合は、フィルターのほこりが原因である可能性が高いでしょう。
フィルターを放置しているとカビが生え、運転時にカビ胞子を部屋にバラまく原因にもなってしまいます。
できれば2週間に1回、少なくともエアコン使用シーズンの前には必ず掃除しましょう。
- 掃除機でフィルターのほこりを吸い取る
- 歯ブラシ等で網目に残ったほこりを取り除く
- 浴室や庭でフィルターの裏側から冷水をかけ、汚れを落とす
- 再度歯ブラシなどで残った汚れを取る
- 雑巾で水分をふき取る
- 陰干しでしっかりと乾かす
【解決策3】室外機の汚れを掃除する

室外機はエアコンの空気を室外に排出します。室外機が汚れていたり排気口の前に物が置かれていたりすると、外に温かい空気を排出できなくなります。
そのため、エアコンが効いていないと感じやすくなります。
室外機の周辺に植木鉢や置き物を置いている場合は、それらを移動させるようにしましょう。
室外機に土や落ち葉が溜まっている場合は、掃除が必要です。
- 外側の土や落ち葉をほうきで落とす
- プロペラカバーに溜まったゴミを歯ブラシなどで落とす
- 裏側や側面にある薄い金属板が汚れている場合は、優しく歯ブラシで落とす
- 水抜き穴の出口が詰まっている場合は細い棒やブラシで書き出す
除湿を付けると寒いと感じたときの解決策
除湿を付けると部屋が冷えすぎて寒いと感じる方もいるでしょう。
一般的な除湿機能(弱冷房除湿)は、室内の空気を一度エアコン内で冷却し、そのまま室内に戻すため室温が下がります。
除湿の冷却機能は冷房ほどではありませんが、部屋の面積や外気の温度によっては「効きすぎ」と感じることも。
除湿機能の寒さでお悩みの方は次の3つの対策を試してみてください。
- 設定温度をあげる
- 再熱除湿機能・ハイブリッド除湿機能を使う
- サーキュレーターを使う
- 除湿器を使う
- 湿気取り剤を使う
【解決策1】設定温度をあげる

除湿機能のもっとも望ましいとされる設定温度は28度といわれています。
しかし面積の小さい部屋など、条件によっては室温が下がってしまう場合があります。
まずは設定温度をあげてみて、効果があるか試してみてください。
【解決策2】再熱除湿やハイブリッド除湿機能に切り替える

一般的な除湿は「弱冷房除湿」という室温を下げる除湿機能を指します。
一方で再熱除湿やハイブリッド除湿は、エアコン内で冷やされた空気の温度を再度上げてから室内に戻します。
普段の除湿で「寒い」と感じる方は、除湿モードを変えてみてください。
商品によって、再熱除湿は「カラッと除湿」、ハイブリッド除湿は「さらら除湿」と記載されています。
【解決策3】サーキュレーターを使う

除湿で「寒い」と感じた際、部屋の一部だけ空気が冷え込んでいると感じたことはありませんか。
例えばソファに座っているときは寒いのに、立ちあがった瞬間「暑い」と感じる方などです。
この場合は、サーキュレーターで室内の空気を混ぜて温度を一定にしてみましょう。
サーキュレーターは扇風機と似ていますが、その役割は異なります。
清涼感をもたらすために扇風機が使われている一方、サーキュレーターは空気を循環させるために使われます。
冷えた空気は底に溜まる傾向にあるため、除湿や冷房を使うと足元が冷えやすくなります。
サーキュレーターは熱の残る上部の空気と冷えた下部の空気を混ぜ、室内の温度を一定にします。
サーキュレーターを用いることでエアコン使用時の効率があがるため、節約につながる場合もあります。
【解決策4】除湿器を使う

まだ暑さが気にならない時期は、除湿器を使って湿気のみ取り除くようにしましょう。
除湿器によってジメジメ感が改善されるだけで、快適に過ごせるようになることも。
しかし除湿器のなかにはヒーターが搭載されている「デシカント式」と呼ばれるタイプもあります。
冷える季節の使用には向いていますが、それ以外の時期における生活空間での使用はおすすめできません。
梅雨のジメジメ感にお悩みの場合は、以下のどちらかの種類がおすすめです。
- コンプレッサー式:排熱が少ないため室温の上昇を防ぐ
- ハイブリッド式:季節や用途に合わせてモードを切り替えられる
【解決策5】湿気取り剤を使う

除湿器の使用を考えつつも、「電気代が気になる」「手入れが大変そう」と思う方におすすめなのが、湿気取り剤です。
湿気取り剤とは、室内に置いておくだけで湿気を吸収してくれる商品のこと。
ゲルタイプや木炭タイプなど、さまざまな種類があります。
なかでも半永久的に使用できる湿気取り剤を見つけることがおすすめ。
購入時以外の費用はかからないため、長期的にみると節約にもつながります。
室内の湿気にお悩みの方には、炭八がおすすめ!

炭八は、半永久的に湿気を取り除いてくれる木炭です。
針葉樹を原料としている炭八は、備長炭の2倍の吸湿力を誇ります。
さらに自ら湿気を発散する機能もあわせもっています。そのため、乾燥している日は湿気を放出して「調湿」することも可能。
定期的に天日干しを行うことで、中に溜まった湿気を外に掃き出し、再度高い吸湿力を取り戻す点もおすすめ。
室内のジメジメが気になる方や、できるだけ電化製品に頼りたくない方は、是非炭八の使用を検討してみてください。

まとめ
今回はエアコンの除湿機能の設定温度に悩む方に向けて、以下の項目をお伝えしました。
- 除湿機能の基礎知識
- 除湿の効果的な使い方
- 除湿の設定温度
- 除湿が聞いていないと感じるときの解決策
- 除湿で温度が下がりすぎるときの解決策
除湿機能のベストな設定温度は28度ですが、もし「効かない」「寒すぎる」と感じる場合は、手入れや使い方を再度見直してみてください。
さほど暑さが気にならないときは、除湿器や湿気取り剤の使用もおすすめです。
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